漫画ビジネスを考える
自分は漫画が好きで、今でも非常にたくさんの漫画を読みます。
でも、読む漫画を自分ですべて購入して読めと言われると、
なかなか難しいものがあります。
小説ならば、文庫本で500円程度で、ちゃんと物語の一区切り、
または完結まで楽しむことができますが、
漫画の場合そうはいきません。500円で数十分程度、話もあまり進みません。
そう、漫画は実はコスパがあまりよくない娯楽なのかもしれません。
なので、基本はネットカフェで一気に読むことが多いです。
その中で、気に入った作品はなるべく購入するようにはしていますが、
でも、これでは作者さんにはあまり貢献出来ていないのだと思います。。。
漫画を描く大変さや、絵も、文章もクリエイトできる
漫画家さんの凄さは理解しています。
でも、背に腹は変えれません、自分が漫画を読むスピードに対して、
購入に必要な金額のバランスが取れないのです。
これが例えば小説ならば、どれだけ頑張っても、1日に数冊。
文庫ならば2千円程度で済みます。
ゲームならば、6000円程度で、数週間は遊べます。
ここらへんをまじめに考えていくと、
実はビジネスモデルが古くなってきているのだと感じます。
本当は漫画は今の1/5~1/10くらいの市場価格で、
今の100倍以上の購買読者を狙うべきビジネスなのだと思うのです。
最も大事にすべきなのは、漫画家さんの権利、利益。
中古本で売れても漫画家さんの利益にはなりませんし、
巷で問題になったマンガ村でも同様です。
作品の価格を下げることで、こういった問題もある程度解決できます。
でも現在は、可能性ある漫画家さんやの漫画家のたまごさん達が、
なかなか稼げず、泣く泣く筆を折るケースも多いのだと思います。
今の漫画業界の閉塞感は、週刊誌から繋がる、
古いビジネスモデルが原因なのではないでしょうか。
インターネット、電子書籍といった技術が無い時代は、
紙の本がすべてだったので、この古いビジネスモデルは成立していましたが、
そのための弊害も非常に多かったのだと思います。
週刊誌で掲載できる漫画の本数には限りがあるため、
読者の人気投票で下位になると、
たとえ話が完結していなくても、打ち切り。
たとえ、その続きが読みたいと思う読者が存在しても、
続きを読むことができないのです。
今、時代が変わって、電子書籍で簡単に本が購入できる時代になって、
是非変わってほしいのが、この週刊誌の在り方です。
今、COMICOなどの漫画アプリで成功しているのが良い事例だと思います。
有名どころの出版社は、どうしても既存の流通の兼ね合いで、
紙媒体を蔑ろにできないのだと思いますが、
そこを守り続けると、漫画文化そのものが危機に陥る可能性があります。
iPodによって壊滅的な打撃を受けた音楽業界のように。
私は、漫画文化は日本の宝だと思っており、
素晴らしい漫画家さんを育てていくためにも、
もっと、有名じゃない漫画家さんたちでも、
しっかり利益を上げられるビジネスに成長し欲しいと思います。
その中で、とても素晴らしいケースの漫画を見つけました。
この漫画は、雑誌では打ち切りになってしまったのですが、
Amazon Kindle向けとしてその続きを描き続けて、完結を目指すそうです。
作品自体も、私はとても面白く読ませていただきました。
とても、センスがよい、よい感じの作品です。(わかり難くてすいません)
なので、Kindleで購入しました!
このようなケースがどんどん増えていって、
今の業界をどんどん変えていって欲しいなと思います。
個人的には、昔大好きだった漫画が、月刊誌の廃刊によって、
途中終了したことでとてもショックだったことがあります。
今の時代、こういった過去、作者さんが無念にも、途中で打ち切りとなった作品を
どこかで再スタートさせるビジネスとかも面白いかもしれません。
漫画アプリも、基本無料ではなく、最初の数話は無料でも、
その後は、人気度によって必ず価格を設定するとか、
例えば、トップ3作品は1話20円、トップ10は1話15円とか。
広く浅く集金するビジネスモデルをどんどん構築して欲しいなと思います。
今の先読みしたいときだけお金を払うでは、
なかなか有料では読んでもらえないのではないでしょうか。
いろいろ書いてしまいましたが、
自分が見る限り、今の漫画業界はビジネスとしては、
非常に大きな可能性を秘めていると思います。
それくらい、既存のビジネスモデルが歪んでおり、
新規参入者がイノベーションによって、
パラダイムシフトを引き起こせる可能性に満ち溢れています。
個人的には、今の出版業界は、Amazonがそういったビジネスを
手がけることを本気で想定して、今後の戦略を考えるべきだと思います。