タカギ浄水カートリッジの性能を深堀りしてみる 濁り除去性能とは?
前回、浄水カートリッジの除去性能の1つである「濁り」について深堀をしますと宣言しましたが、いろいろ調べていくと、とてもとても難解だということがわかりました。
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目次
浄水カートリッジの安全確保の背景
まずは以下の文献を見つけました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fiber1944/51/2/51_2_P44/_pdf
ポイントを要約すると、
①浄水器は水道水をおいしくするために活性炭を使う。
②活性炭は、水道水の汚染を防ぐ塩素を除去してしまう。
塩素自体が水をまずくしている原因。
③ゆえに、浄水器の活性炭部分から出口までの間では、
時間が経つと、出口から雑菌などが繁殖する可能性がある。
④そこで、活性炭部分の後ろ側に、中空糸フィルターという
雑菌を通過させないフィルターを使用し、安全を確保している。
すなわち、浄水器は長い間使っていないと、浄水器の中に雑菌が侵入し、繁殖するおそれがあり、それを防ぐための安全機構としてろ過フィルターがあるということになります。
各社浄水器メーカーのフィルター技術
そうして、あらためていろいろな浄水器メーカーの情報を見ていくと、各社、確かに独自技術でフィルターを開発していることがわかります。ここが浄水器メーカーの技術の凌ぎあいのポイントの1つと言えます。
<クリンスイ>化学系:中空糸フィルター
クリンスイの歴史 その1 中空糸膜フィルター開発 【クリンスイアカデミー】|三菱レイヨン・クリンスイ株式会社
2018住宅設備機器総合カタログ A4版 | カタログビュー
<日本ガイシ>焼き物系:セラミックフィルター
<東レ>化学系:中空糸フィルター
トレフィル® 東レUF/MF膜 | 水処理膜 | TORAY
タカギ浄水カートリッジの安全対策
では、タカギの浄水カートリッジはどうでしょう?
こちらを読んでいくと、タカギにはフィルターらしいものが無いことがわかります。
ミクロフィルターと書いてあるものはゴミを取り除くと書いてあるので、他社のフィルターとは性能が全く違うものとなります。
そこで気が付くのが「殺菌セラミック」というものの存在です。
殺菌セラミックで雑菌繁殖を抑えると書いてありますが、これによって他社のような精度の高いフィルターを設置していないと推測できます。
以下のカタログを見ていくと、一番高価なカートリッジでは中空糸フィルターを採用しているものもあります。これはおそらく他社から技術を購入しているだけで、基本技術としては、殺菌セラミックがあるから高性能なフィルターが必要ないというのが、タカギの見解だと推測します。
https://purifier.takagi.co.jp/img/download/docs/ZT2300-12.pdf
濁り除去とは
濁り除去性能自体は、調べていくと、水道配管や、マンション等の貯水タンクからでる赤さびや不純物、あと、クリプトスポリジウムという塩素消毒でも死なない原虫といったものをろ過して除去するための基準となります。そういわれるとしっかり取りたくなりますよね。
結論
いろいろ調べていく中で、やはり有名どころの浄水器メーカーの技術力は特筆すべきところがあるということがわかりました。
ただ、マーケティング、戦略的に言いますと、逆転の発想というか、弱みを強みに変えて戦うという所に当てはまるタカギのカートリッジも面白い発想とも言えます。
この場合、
・高性能フィルターを作る技術がない
・高性能フィルターは雑菌繁殖抑制のために必要
・雑菌繁殖抑制が必須。高性能フィルターは手段。
・雑菌繁殖を防ぐ別の手段を考える。
・殺菌セラミックをつくろう。
・その結果カートリッジが安く作れる。(推察)
という感じですね。とくに大手のメーカーがフィルター技術を、莫大な投資をして開発をしている中で、小規模なメーカーがそこに立ち向かうのは厳しいものがあります。その中で、「雑菌を通過させない」のではなく、「殺菌してしまえばいい」とい新しい発想を取り入れたということはよい戦略ではないでしょうか。
とはいえ、いち消費者としては、水道管や貯水タンクからの不純物も気になりますし、やっぱり高性能なフィルターが入った浄水器の方がよいかなぁーとは思いました。。。
今回はちょっと大変でした。。。
おしまい。
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